目的(ゴール)への道筋の立て方ゴールを「因数分解」して、今日の一歩まで下ろす
公開 目的と目標

よいゴールを立てたのに、なかなか前に進まない。その原因の多くは、ゴールと今日の行動のあいだに「道筋」がないことです。この記事では、「どうなったらゴールと言えるか」を決めて、それを要素に分けていくゴールの因数分解を、事例を交えて紹介します。
1道筋がないと、ゴールは「願い」のまま止まる
「半年後に、副業で毎月5万円の売上が立っている」。状態で書かれていて、期限もあり、達成したかも判断できる、よいゴールです。それでも、このゴールだけを眺めていても、今日なにをすればいいかは出てきません。
ゴールと今日の行動のあいだには、大きな距離があります。その距離を、「これができれば、ここまで進む」という中間地点で埋めていくのが道筋づくりです。道筋ができると、今日の一歩がゴールにつながっていると実感でき、迷わずに動けるようになります。
2道筋づくりの全体像(5つのステップ)
- 「ゴール!」と言える条件を決める何がどうなっていたら達成かを、判断できる形で書く。
- ゴールを因数分解する達成条件を、それを生み出している要素に分けていく。
- 要素を「プロジェクト」にする要素を伸ばすための、終わりのあるまとまりをつくる。
- タスクとTODOに下ろすプロジェクトを部品に分け、15〜30分で動ける一歩まで下ろす。
- 期限を逆算して置くゴールの期限から、月・週の中間目標を決める。
ここからは、「半年後に、副業で毎月5万円の売上が立っている」を例に、1つずつ見ていきます。
3STEP1「ゴール!」と言える条件を決める
分解を始める前に、何がどうなっていたら「ゴール!」と言えるのかを、もう一段くわしく決めます。これが分解の出発点になります。
副業で稼げるようになる1回5万円売れたら達成? 毎月? どこで判断するのかが決まっていません。
3月から3か月続けて、副業の売上が毎月5万円以上「3か月続けて」を入れて、たまたまの1回と区別しています。
ポイントは、数字や「できている場面」で書くことと、たまたまと区別できる条件にすることです。ここがあいまいなままだと、このあとの分解もあいまいになります。
4STEP2 ゴールを因数分解する
次に、達成条件を「何と何で決まるのか」に分けていきます。数字のゴールなら、かけ算の式にすると分かりやすくなります。
ここまで分けると、「5万円を稼ぐ」という大きな話が、「単価を決める」「作品を見てもらう」「問い合わせを成約につなげる」という、手を打てる話に変わります。数字はあくまで仮の目安です。最初は、だいたいでかまいません。
分解を止める目安は「自分が動かせるか」
どこまで分けるか迷ったら、その要素に対して、自分が直接できることが思い浮かぶかで判断します。「売上」には直接手を出せませんが、「作品を見てくれる人の数」なら「作品をSNSに投稿する」ことで増やせます。自分の行動が思い浮かんだら、そこで分解は十分です。
分解には「前提」もある
かけ算の式には出てこなくても、それがないと始まらないものがあります。この例なら「売るものが決まっている」「作品を見せる場所がある」がそうです。式を書いたら、「そもそも何が必要?」とひと言問いかけて、前提を書き足してください。
5STEP3 要素を「プロジェクト」にする
分解で出てきた要素と前提を、終わりのあるまとまり(プロジェクト)に置きかえます。プロジェクトには「何ができたら完了か」をつけておきます。
- 目的(ゴール)3月から3か月続けて、副業の売上が毎月5万円以上
- プロジェクト(前提:単価)商品と価格を決める
完了:メニュー3つと価格を1枚にまとめた - プロジェクト(前提:見せる場所)ポートフォリオサイトを公開する
完了:作品3つを載せたサイトを公開した - プロジェクト(見てくれる人の数)SNSで週3回、作品を発信する仕組みをつくる
完了:4週続けて週3回投稿できた - プロジェクト(成約率)問い合わせ対応の型をつくる
完了:ヒアリング項目と見積もりのひな形ができた
こうして並べると、どのプロジェクトが、ゴールのどの部分を押し上げるのかがはっきりします。途中で「発信は順調なのに問い合わせが来ない」となったときも、どこを直せばいいかがすぐに分かります。
6STEP4・5 タスクとTODOに下ろし、期限を置く
プロジェクトを、さらに部品(タスク)に分け、最後は15〜30分で終わるTODOまで下ろします。
- プロジェクトポートフォリオサイトを公開する
- タスク見本の作品を3つ作る
- TODO参考にしたいサイトを5つ集める(30分)
- TODO1つ目の作品のラフを描く(30分)
- タスクサイトの構成を決める
- タスクサイトを公開する
期限は、ゴールから逆算して置きます。「3月から3か月続けて5万円」なら、2月末までにサイト公開と問い合わせ対応の型を終わらせ、発信は1月から始めておく、というように、月ごとの中間地点を決めます。中間地点があると、「今月はここまで進めばいい」が分かり、遅れにも早く気づけます。
7事例:ランニングと英語の場合
数字で分けにくいゴールでも、考え方は同じです。「ゴール!と言える条件」を決めて、それを支える要素に分けていきます。
5kmを30分以内で走れる体力を身につける
「ゴール!」と言える条件:6月末までに、5kmを休まず30分以内で走り切れた(ランニングアプリの記録で確認)
ここから、「週3回走る時間を確保する」「2kmを止まらずに走る → 3km → 5km と距離を伸ばす」「月に1回、5kmのタイムを計る」というプロジェクトが見えてきます。最初のTODOは、たとえば「朝の20分を空けるために、前日の寝る時間を決める」です。
英語で仕事の会議に参加できるようになる
「ゴール!」と言える条件:来年3月までに、英語の定例会議で、自分の担当分を5分説明し、質問に1つ答えられた
「担当業務でよく使う表現を50個まとめる」「週2回、オンライン英会話で説明の練習をする」「会議の録画を見て、聞き取れなかった部分を書き出す」がプロジェクトの候補です。最初のTODOは「先週の自分の報告を、日本語で3行に書き出す」のように、今日すぐできることから始めます。
8分解でつまずきやすい6つのポイント
01分け方が粗すぎる
「集客をがんばる」「英語を勉強する」のような、まだ大きな言葉で止まってしまうケースです。
02最初に全部を洗い出そうとして、始められない
完璧な計画を作ることに時間を使い、いつまでも最初の一歩が踏み出せないケースです。
03自分では動かせない要素をプロジェクトにしてしまう
「フォロワーを1,000人にする」「上司に認められる」など、相手しだいの要素を、そのまま自分の計画にしてしまうケースです。
04プロジェクトに「完了」がない
「発信を続ける」のように終わりがないと、いつまでも完了せず、進んでいる実感が持てません。
05前提が抜けている
かけ算の式だけを見て、「売るものが決まっていない」「道具がない」といった前提を見落とし、途中で止まってしまうケースです。
06一度決めた計画を守ろうとしすぎる
やってみて合わなかった方法を、計画だからと続けてしまい、結果につながらないケースです。
9道筋は「仮説」。進めながら直していく
どんなに考えて作った道筋も、最初は「たぶんこうすれば近づける」という仮説です。実際に動いてみると、思ったより時間がかかったり、別の方法のほうが効いたりします。
だからこそ、道筋を作ったら、まず最初の一歩を踏み出し、定期的に見直すことが大切です。因数分解をしておけば、「どこが予定どおりで、どこがずれているか」が要素ごとに分かるので、直すべき場所もすぐに見つかります。
道筋ができたら確認する5つのこと
- 「ゴール!」と言える条件が決まっている数字や「できている場面」で、判断できる形になっているか。
- ゴールを、自分が動かせる要素まで分けたそれぞれの要素に、自分ができることが思い浮かぶか。
- 前提になるものを洗い出した始める前に必要なものが、最初のプロジェクトに入っているか。
- プロジェクトに「完了」がある何ができたら終わりかが書かれているか。
- 今日やるTODOが1つ決まっている最初のタスクが、15〜30分の一歩まで下りているか。
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